カラオケ店の社員は辛いよ

週末に会社の仲間内の飲み会がありまして、二次会で近くの某フランチャイズ系カラオケ店に行きました。入ってしばらく（40分ぐらい？）してから事件は発生しました。
ドリンクのオーダーを追加したのですが、ドリンクを持ってきたバイトのお兄ちゃんがその中のグレープなんとか（注文したのはグレープフルーツなんとかだったんだけど）をテーブルに置くときにグラスを倒し、友人のＫ君のズボンにそのほとんどをぶっ掛けてしまったのです。
「す、すみませーん！」とバイト君。すぐにタオルを持ってきたもののＫ君のズボンはずぶ濡れで、しかもグレープなんとかなので、ベトベトネチャネチャ状態。これは気持ち悪い。バイト君は「クリーニング代はお出ししますので」とか言ってましたが、「これ見てよ、ずぶ濡れですごい気持ち悪いんやけど。。。クリーニング代で済むもんなんか？」と文句を言ってると、さすがバイト君「どうしたら良いでしょうか？」と何も対処できません。私が「ちょっと話の出来る責任者の人呼んでもらえる？」と言うと、やってきました責任者その１。見た目はバイト君と大して変わらない人が「大変申し訳ありませんでした」と言ってやってきました。まず私が「あなたがここのマネージャーなの？」と聞くと「はい」と答えてました。Ｋ君は「これどうしてくれんの？」と言うと「どうさせて頂きましょう？」と答える責任者その１君。「さっきクリーニング代を出すとか言うてたけど、この状態を見てよ。すごい気分悪いんやけど、クリーニング代出して終わりなんか？」　対する責任者その１君は「お客様の望まれるようにするように致します」とか「どうしたら良いですか？」を繰り返すばかり。見かねた私は「あなたマネージャーなんでしょ？どうしましょうじゃなくて、そちらとして何が出来るのかを言って、こうさせて頂くと言う事でご勘弁願えないでしょうか？って聞くもんじゃないの？そちらがどういう事ができるか・しようとしてるのか解らない客に、どうしましょうって聞くのはおかしいんじゃないか」と言うと、「はい」と言って固まってしまった責任者その１君。固まられて困ってしまったので「この商売だとこういうトラブルは予想できるもんでしょ、何かお店として対処法とか決まりは無いのか？」と尋ねると「はい、ありません」・・・・と一言毎に固まってしまうようになってしまった。
実際は、余りの頼りなさに「接客業っていうのは、これこれこうで、お客さんに対してはこういう話の仕方をして、これこれこうするものが適切な対応で・・・」と説教というか教育してたんですが、概ね先のような状況でした。
もう責任者その１君は融けそうに無いので、Ｋ君は「さっきクリーニング代を出すと言うてたけど、こんな事されて大変気分が悪い。しかもこんな格好で電車に載って帰って格好悪い思いをしないといけないのか？」と言うと、責任者その１君は言いました。「では領収書を持ってきて頂ければタクシー代をお支払いします」と。。。
実は本当はそれほど怒ってなかったＫ君は、ちょいとお怒りになって「タクシー代立て替えた上で、領収書持ってまたここまで来なあかんのか！そんな時間と手間と交通費かけさせるんか！もうこんな店には来たくないねん！！」とおっしゃいましたが、当然責任者その１君は固まるだけ・・・
私は「領収書だと、どこを通って帰ってもええの？すごく遠回りして帰ってすごい金額になっても払うのか？」（固まり中）「どうせ取引のあるタクシー業者とか有るんでしょ？ ×××まで帰るのにどれぐらいかかるか調べて不足しないような額を包んで帰ってもらうとかでけへんの？」（固まり中）「まずはタクシー代どれくらいかかるか調べる事は出来ないのか？」というと、「少々お待ちください」と言って彼は出て行きました。
しばらくすると「大変申し訳ありませんでした、私がここの責任者その２です」と言って入ってきた一人の男性。「へ？あんた誰？」「私がこの時間帯のここの責任者です」「いやさっきの人に、あなたが責任者？って聞いたら、はいって答えてたよ」「今の時間帯は２人で責任を持っています。」「訳解らんんねんけど、トップの人呼んでよ」「私です」という事で、選手交代、責任者その２君がここからの交渉相手と相成りました。
責任者その２君の得意技は土下座でした。何かと言えば「申し訳ありません」と土下座しちゃうので、「そういう事されても困る、頭を上げて話をしてくれ」と何度も繰り返す事に。。。「で、さっきの２人の話では、領収書をここに持ってこいと言うけど、ここまで又来ないといけないのか？」「申し訳ありません」「だから頭を上げてって・・・」「今ここで出来る事しか出来ないんです」「で、何が出来るのかとさっきから聞いてるの」「お時間延長を無料で・・・」「あのなぁ、こんな事されてここには居たくないんや」「申し訳ありません」「いや、だから頭を上げて話をしてよ・・・」　何か全然話が進まない。私が「あなたには裁量が無いという事であれば、オーナーに連絡するなりして貰えないかなぁ？」と言うと「私が責任者です、申し訳ありません」いや、だから頭上げてよ・・・(^^ゞ
「つまり領収書なりのエビデンス（証拠）が無ければ支払えないと言う事なのね？」と聞くと「ここで出来る事しか出来ないんです」の繰り返し。「で、何が出来るの？」「本日の場所代は頂きませんし、延長料も・・・・」「いやだから延長してまで居たく無いってば・・・で、結局領収書が必要なのね？」「今ここで出来る事しか出来ないんです」「ん？ここで出来る事って、場所代だけでしょ？さっきから言ってるクリーニング代とかはどうなったの？」「申し訳ありません」　だから頭上げてってば・・・・(^^ゞ
「バイト君、責任者その１君、その２君の３人が領収書を持ってきてくれればタクシー代払うとかいう話は嘘なんか？　それでごまかそうとしてた訳か？　お前らええ加減にせえよ！　オーナー呼べ！！」「私が責任者です」「そうじゃなくて、ここのお店のトップと話をせんと進まんでしょ」「この時間は私が責任者です、申し訳有りません」　あ、頭上げてってば・・・

しばらく繰り返した後、「私の責任でお支払いします」と言い出した。「いや、君個人では無くてお店として対応してもらわないとこちら側も良い気がしないでしょ」「私が責任者ですので、私の責任で・・・」「そうじゃないでしょ。もし火事になって被害が出たらあなたが賠償するんですか？」「はい」「・・・・違うでしょ・・・・個人で賠償なんて出来ないっしょ・・・・上を呼ぶと何か困るのか？」「いえ、今は私が責任者ですので・・・申し訳ありません」　頭上げてよ (^^ゞ
もうかれこれ１時間以上の押し問答、こちらも疲れてきたので、私は「じゃぁ、とりあえず誰が対処するかは別として、Ｋ君の住所を教えるので領収書を取りに来て、その時にタクシー代とクリーニング代を支払って貰えるか？立て替えておくのは仕方無いから」と提案し、それで済ます事にしました。「じゃ、彼の住所を控えるのと、あなたの名前とここの連絡先をこちらが控える為にメモかノートを用意してください」「申し訳有りません」　だから、頭上げっててば・・・「もう良いからノートとペン用意して頂戴」「はい」
という事で、今度週明けに取りに来てもらう事になりました。責任者その２君は「これが私の連絡先です」と住所・氏名・電話番号を書き、免許証を出して確認までさせました。（別に君をいじめたくて言ってるんじゃないのよ・・・）私は、小さな声で尋ねました。「客とトラブルが有った事が上にばれるとまずいんだね？」「はい、出世とかに影響が・・・」やっと本心が出ました。（こそまでしてしがみつかなければならない仕事なのかい？カラオケ屋の社員って・・・）
「最寄の駅は○○だよ」「何か目印とかは無いですか？」「住宅街だから目立つものは無いよ。あっ、××小学校の近くだよ」（不安そうな彼）私は「駅まで行って駅員なりに ×○町の場所を聞いて、近辺まで来れば番地見ていけば探せるでしょ。どうしてもわからなければ電話して聞けば？」と言うと「はい、そうします」と彼は答えました。（後で聞くとＫ君の最寄駅の○○は無人駅なんだそうで。。。すまん、責任者その２君。駅に行っても駅員は居ないのだ。でも大人なんだから臨機応変に対処してね (^^ゞ）
じゃ、そろそろ引き上げようかと思って、カラオケのリモコンを彼に渡そうとすると、「それは受付の方に・・・」「へ？受付で会計しろってか？ここに来てからほとんどの時間あんたらとしゃべってただけやんけ！」「・・・・」「リモコンはここに置いとくで」私たちは受付を素通りしてエレベータに行きました。受付のお姉ちゃんは「ありがとうございました！」とノーテンキな声を掛け、受付に居た責任者その１君は「申し訳ありませんでした」と言ってました。

しかし、カラオケ店の社員ってそこまでする必要の有る仕事なのか？帰り道の皆の話題です。ちなみにこの周辺のカラオケ屋は全て安くって（中高生向け料金か？）、２時間ぐらいでドリンクを少し頼んで終わると、一人千円もかからないぐらいの料金。大して儲かってないと思うんだけど。。。バイト代もそれなりにするだろうし。。。。カラオケ店の社員って一体・・・・

ちなみに、本当にオーナーが出てきて「や」の付く自由業のお方だったらどうしようと思ってたというのも、皆の一致した感想でした。 (^^ゞ

9/18補足：結局その２君は店長に相談して、店長と一緒にお詫びに行きたいと言って来たそうです。でも結局Ｋ君の都合でお店に取りに行ったそうな。帰り際店長は、「またご利用ください」とおっしゃったそうです。(^^ゞ　めでたしめでたし